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学齢期から考える子どものキャリア観:多様な経験を積むサポートの視点

Tags: 学齢期, キャリア教育, 将来設計, 子育て支援, 多様な経験

学齢期から考える子どものキャリア観:多様な経験を積むサポートの視点

学齢期は、子どもたちの世界が学校生活を中心に大きく広がる時期です。学習内容が深まり、友達との関係性も複雑になり、様々な活動に触れる中で、将来への漠然とした興味や関心が芽生え始めることもあります。この大切な時期に、親として子どもたちのキャリア観の芽をどのように育み、多様な可能性に目を向けさせていくことができるのか、経験に基づいた視点から考えてみたいと思います。

なぜ学齢期からキャリア観を考えることが重要なのか

「キャリア教育」と聞くと、進路選択が目前に迫った中高生向けのイメージを持つかもしれません。しかし、近年では、より早期からのキャリア教育の重要性が指摘されています。これは、単に将来就く職業を決めるということだけを指すのではなく、子どもたちが社会との関わりの中で、自分の興味や得意なこと、価値観を理解し、人生を主体的に切り拓いていく力を育むプロセス全体を意味しています。

学齢期の子どもたちは、まだ具体的な職業をイメージすることは難しくても、身の回りの大人や社会の出来事から様々な影響を受けています。この時期に、多様な働き方や生き方があること、そして自分の「好き」や「得意」が将来に繋がりうることを知る機会を提供することは、彼らの視野を広げ、学びへの意欲や自己肯定感を育む上で大きな意味を持ちます。

経験豊富な親御さんであれば、ご自身のこれまでのキャリア選択や働き方の中で、様々な葛藤や学びがあったことと思います。そうした経験を踏まえ、お子様が将来「何をしたいか」だけでなく、「どのように社会と関わっていきたいか」「どんな価値観を大切にしたいか」といった広い視点を持てるようにサポートすることは、学齢期だからこそ可能な関わり方と言えるでしょう。

学齢期の子どものキャリア観を育む具体的なサポート

では、具体的に家庭でどのようなサポートができるでしょうか。

経験を共有し、共に考える場として

学齢期の子どもたちのキャリア観育成は、親御さん自身の経験が最も活かされる分野の一つかもしれません。ご自身がどのように進路を選び、どのような仕事に就き、働き方を変えてきたのか。その中で感じた喜びや後悔、学びは、まさに生きた教材となります。

もちろん、時代は変化しており、親世代の経験がそのまま子どもの将来に当てはまるわけではありません。しかし、変化に対応するためにどのように考え、行動してきたのか、失敗からどのように立ち直ったのかといったプロセスを共有することは、子どもが将来、予期せぬ出来事に直面した際に役立つ心の土台となります。

他のご家庭では、学齢期のお子様に対してどのような声かけをされているでしょうか。どのような機会を提供されているでしょうか。あるいは、ご自身のこれまでの経験を、お子様にどのように伝えていますか。正解は一つではなく、それぞれの家庭、そして子ども一人ひとりに合った関わり方があるはずです。この広場で、皆様の貴重な経験や考えを共有し合うことは、私たち親自身にとっても新たな発見や学びとなることでしょう。