親子のきずな広場

学齢期の子どもとの関わり方:親の「教える」から「伴走する」へのシフトを考える

Tags: 学齢期, 子育て, 親の役割, 伴走型育児, 子どもの自立

学齢期の子どもとの関わり方:親の「教える」から「伴走する」へのシフトを考える

子どもたちが学校という社会の中で多くのことを学び、自らの世界を広げていく学齢期。この時期は、幼少期に比べて身体も心も大きく成長し、自己主張も芽生えてくる大切な節目です。親御さんも、これまでの手厚いサポートから、一歩引いた「見守る」あるいは「伴走する」という関わり方への自然なシフトを感じられているかもしれません。

私たち経験豊富な親は、これまで様々な子育てのフェーズを乗り越えてきました。幼い頃には、食事の仕方から着替え、遊び方まで、あらゆることを具体的に「教える」役割が中心だったと感じています。しかし、学齢期になると、子どもたちは学校や友人関係の中で、自分自身で考え、判断し、行動する機会が格段に増えていきます。

なぜ「教える」から「伴走する」へシフトが必要なのか

この時期に親の関わり方が変化していくのは、子どもの成長過程において自然な流れです。子どもたちは自立への階段を上り始めており、自分で考え、試行錯誤する経験こそが彼らの力となります。親がすべてを「教え」、先回りして「正解」を与えてしまうと、子どもたちは自分で考える機会を失い、主体性や問題解決能力が育ちにくくなる可能性があります。

「伴走する」という関わり方は、親が子どもの先頭に立って道を切り開くのではなく、子どものペースに合わせ、時に立ち止まり、共に景色を眺め、困難があれば横で支えるようなイメージです。子どもが自ら課題を見つけ、それに対してどう向き合うかを考える過程を尊重し、必要な時にそっと手を差し伸べる。このような関わりが、子どもの自己肯定感や、困難に立ち向かうレジリエンス(精神的回復力)を育む土台となるのではないでしょうか。

「伴走する」関わりの具体的なヒント

では、「伴走する」とは具体的にどのような関わり方なのでしょうか。

「伴走」の難しさと親自身の経験

「伴走する」というのは、口で言うほど簡単なことではありません。特に、子どもの失敗が目に見えているのに、つい口を出してしまいたくなる衝動や、遠回りする子どもを見守る忍耐力は、親にとって大きな課題です。幼少期のようにすぐに結果が見えるわけではなく、子どもの成長がゆっくりと感じられる時期だからこそ、親自身の不安や焦りも生まれやすいかもしれません。

ここで活きてくるのが、私たち経験豊富な親がこれまで培ってきた子育ての知恵です。これまでも、様々な子どもの成長の節目や困難な状況を乗り越えてきました。あの時、焦らずに見守ったことが子どもの力になった、あの時、つい口出しして後悔した、といった過去の経験は、「伴走」という関わり方をする上での貴重な羅針盤となります。子どもの成長には波があること、すぐに結果が出なくても着実に力はついていることなどを、自身の経験から知っているはずです。

まとめ:共に成長する伴走という道のり

学齢期の子どもとの関わり方を「教える」から「伴走する」へとシフトしていくことは、子どもが自立していく上で欠かせないプロセスです。そして、それは親自身にとっても、子育ての新しい段階を学ぶ機会でもあります。完璧な伴走者である必要はありません。時には躓き、時には立ち止まりながら、子どもと共に歩んでいく姿勢が大切だと感じています。

この「親子のきずな広場」には、同じように学齢期の子どもを持つ多くの親御さんがいらっしゃいます。きっと、皆さんそれぞれに「伴走」について感じていること、工夫していること、悩んでいることがあるかと思います。自身の経験を振り返り、他のご家庭の様子に思いを馳せてみるのも良いかもしれません。互いの経験を共有し、この伴走という道のりを共に歩んでいくヒントを見つけられることを願っております。