親子のきずな広場

親の経験から考える、学齢期の子どもの「働く」ことへの価値観の育み方

Tags: 子育て, 学齢期, キャリア教育, 働くこと, 価値観, 親子関係, 経験談

学齢期の子どもと「働く」ことへの価値観

学齢期になると、子どもたちの興味関心は次第に広がり、将来のことや「働く」ということについて考える機会も増えてまいります。学校でのキャリア教育や、社会の出来事に触れる中で、子どもたちは漠然と、あるいは具体的に「働く」ことへのイメージを形成していきます。

この大切な時期に、私たち親自身が持つ「働く」ことへの価値観が、子どもたちに少なからず影響を与えていることを意識することは重要だと考えます。特に、私たち経験豊富な親は、長いキャリアの中で様々な経験を積んでまいりました。その経験から培われた「働く」ことへの視点や思いは、子どもにとって貴重な学びとなる一方で、無意識のうちに特定の価値観を強く印象付けてしまう可能性もございます。

親自身の「働く」価値観を振り返る

子どもに「働く」ことについて話す前に、私たち親自身が、自身の「働く」ことへの価値観を改めて振り返ってみることから始めてはいかがでしょうか。

これまでのキャリアで、どのような仕事に喜びを感じ、どのような困難に直面したか。経済的な安定だけでなく、仕事を通して得られた人間関係、自己成長、社会への貢献といった多様な側面に、自身はどのような価値を見出してきたか。子どもの頃に思い描いていた「働く」姿と、現実の自身の経験にはどのような違いがあったか。

これらの自身の経験を言葉にすることは、子どもに伝える上での土台となります。しかし、その際に、自身の経験を唯一絶対の正解として語るのではなく、「私自身の経験としては」「私が大切だと感じていることは」といった視点を添えることが大切です。

子どもへの影響と伝える上での視点

親が日々の生活の中で、仕事に対してどのような姿勢を見せ、どのような言葉を発しているかは、子どもたちの「働く」ことへのイメージに深く関わります。例えば、仕事の面白さややりがいを話すこともあれば、大変さや理不尽さをこぼすこともあるかもしれません。そうした親の姿を通して、子どもたちは「働く」ことの現実的な側面を学んでいきます。

子どもに「働く」ことについて伝える際には、以下の点を意識してみてはいかがでしょうか。

家庭でできる具体的な関わり

「働く」ことへの価値観を育む上で、特別な教育プログラムは必須ではありません。日々の家庭生活の中での自然な関わりが重要となります。

まとめ:経験は力に、そして未来へ

私たち親がこれまでに培ってきた「働く」ことへの経験や価値観は、子どもたちが自身の将来を考える上で非常に貴重な羅針盤となり得ます。しかし、その羅針盤をそのまま手渡すのではなく、多様な道があることを示唆し、子ども自身が自分にとっての最適な航路を見つけられるよう、共に地図を広げるような姿勢が大切です。

他の親御さんたちが、自身の「働く」経験をどのように子どもに伝え、どのような価値観を大切にしているのか、情報交換をしてみることも、新たな気づきや視点を得る機会となることでしょう。それぞれの家庭で育まれた多様な価値観が集まることで、「働く」ことへの理解はさらに深まっていくものと考えます。